General Information 3 | 花火のしくみと製造
2-1. 打上げ玉の構造
割物花火の断面は、右図の様になっています。
球形の玉皮(外殻)の中心には割火薬と呼ばれる火薬が入っており、
その周りに星が込めてあります。導火線の外側から入った火が中心の割火薬に点火して爆発し、周りの星を飛ばします。星に火がつくと、花火の形は大きな球形に見えます。星は放射状に広がり、やがて下へ落ちていきます。
2-2. 打上げ筒と打上げ方法
打上げ筒は以前は木筒、その後は鉄筒でしたが、近年ではより軽いステンレスや繊維強化プラスチック製のものも使われるようになり [武藤輝彦, 1994] 、スターマインに用いるものなどは主に4連から5連の筒になっています。
打上げの時には打上げ玉と共に打上げ火薬を筒と一緒に入れ、”揚げ火””ロー火”と呼ばれる火種、もしくは電気点火などにより打上げ火薬に火をつけ、打上げ玉を上方に打ち上げます。
つまり、打上げ火薬と割火薬という2種類の火薬によって初めて花火が打ち上がり、かつ上空で開く事が達成されるのです。このように、仕込んだそれぞれの火薬の、点火速度とタイミングを緻密に制御する事が要求されます。
こういった花火玉と星は、どのようにして作られているのでしょうか。
2-3. 打上げ玉の製造
2-3-1. 製造設備
煙火の製造は全て火薬を取り扱う、危険と隣り合わせの作業です。火薬を製造・保管する場所では
- 熱
- 衝撃
- 静電気
を可能な限り取り除く必要があります。
そのため、工場内の設備は全て日本の火薬類製造法に基づいた構造によって設計・建築されています。工場内の作業員も、上の3つの要素を取り除くため衣類、靴の素材などに充分注意し、必要に応じて除電装置などを用いてから慎重に作業にあたります。